Tomedesが日頃の業務を通じて磨き上げている水晶玉を覗いて翻訳のトレンドを占う季節がやって来ました。去年の今ごろは2017年に大きく成長する分野として動画翻訳とアプリ翻訳を予想してピタリと当てましたが、今年はいかに?さっそくTomedesが予想する2018年の翻訳トレンドを見ていきましょう。
マイナーな言語の翻訳が増える
今この瞬間にも世界の至る所でデジタル技術は普及し続けています。Internet World Statsの調査では2000年から2017年の間にインターネットのアクセス数はアフリカで8,503%、中東で4,374%増えました。
世界のグローバル化はとどまりそうにないので、マイナーな言語の翻訳需要は今後ますます増えるでしょう。これは何もデジタル技術に限ったことではありません。言語のボーダーを超えてコミュニケーションを深めるための翻訳が求められています。機械翻訳で業界に風穴を開けたい(2018年現在、それにはまだまだかかりそうですが)人々は、よく話される40言語ほどに焦点を当てていますが、マイナー言語の需要を無視することができなくなりそうです。
機械翻訳の修正
機械翻訳も2018年の翻訳業界に大きなインパクトをもたらしそうです。これは機械翻訳の性能が急激に高まり、人が行う翻訳の需要がなくなるということではありませんが、コスト削減のために機械翻訳を試そうとするクライアントは増加傾向にあります。
機械翻訳の修正を専門的に行う翻訳サービスも増えています。この需要が意味するのは機械翻訳には未だに越えられない壁が存在するという事実です。「今までになく」、「正確な」機械翻訳が脚光を浴びる一方で専門家の手による翻訳の必要性も高まっています。
機械翻訳を試してその品質に失望したクライアントは、間違いや不自然な翻訳を直してくれる翻訳者を求めます。「AIとニューラルネットワークによる翻訳エンジン」と聞くととんでもなく高性能なものを連想してしまいますが、人間の脳はそれをはるかに凌駕していることをお忘れなく。
動画翻訳の需要が増える
2017年の予想にも動画翻訳を入れましたが、今年もこれを外すことはできません。Facebookの動画再生回数は1日およそ80億回、YouTubeでは毎分300時間におよぶ動画がアップロードされています。スマートフォンやSNSでコミュニケーションを行う多くの人にとって動画は理想的なコンテンツです。
今年もこの勢いが衰えることはないでしょう。新しいオーディエンスを取り込む手段としての動画は増え続け、これに伴い翻訳の需要も増えそうです。将来を見据えた翻訳者は、ソフトウェアの使い方やサウンドエフェクト、タイムスタンプの取り扱いなど動画翻訳に役立つスキルの習得を始めています。
まとめ
2018年に翻訳業界で何が起きると思いますか?上で紹介した業界全体のトレンドに加えて、翻訳分野に限って言えば、ビットコインをはじめとするブロックチェーンなどのIT関連翻訳がますます増える傾向にあります。世の中の需要に常に目を光らせて準備を怠らないこと。これこそ毎年変わらないトレンドです。